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全身型ナローバンドUVB照射装置導入!
5月というのに台風が来たり連日30度を超えたり、
妙な天気ですね。
体調がついていかない方も多いのではないでしょうか。
水分、塩分を多めにとって、
脱水にならないように気をつけてくださいね。
以前にもこのブログで取り上げましたが、
当院ではナローバンドUVB照射装置を
治療のために用いています。
尋常性乾癬や、アトピー性皮膚炎の症状が緩和され、
見違える程よくなることもしばしばあります。
今日の皮膚科医にとって片腕とも言える重要なツールですが、
以前に使用していた機械は半身型で、
照射範囲が限られるのが難点でした。
背の高い人なら、上中下・裏表6方向、
1回3分としても18分、
側面を含めれば30分近く(!)、
当てる方も、当てられる方も一苦労でした。
今回導入した全身型(☆)は、管球の長さが130cmあるので
表裏2方向でほぼ全身をカバーすることができます。
出力も強いため、従来よりも短時間の照射で
同じ効果が得られます。
また、従来の機械は管球が平面になるように並んでいましたが、
全身型では、アーチ状の曲面になるように並んでいます。
このため、側面までの照射が可能になりました。
そのほか半身型にはない充実した機能が搭載されています(☆☆)。
目立った副作用はないため、
アトピー性皮膚炎などの慢性的な疾患の治療に
重要な役割を果たします。
(「アトピー性皮膚炎の全身療法 1.紫外線療法」を参照してください。)
とくに、「ゴリッ」と盛り上がるような
アトピーの経過の長い発疹に著効します。
治りにくい湿疹に長年悩んでおられる方は、
一度受診してみてください。
☆全身型照射装置を設置しているのは、市内の基幹病院でも大学病院をはじめ3施設のみです。場所をとるのと高価なため敬遠されることが多いのですが、治療効果を考えると欠点を補って余りあると思われたので、導入に踏み切りました(ベッドの向きを以前と変えて縦置きにしたところ、なんとも誂えたようにぴったりと収まり、おまけに処置室が広く使えるようになったというおまけ付きでした!)。
☆☆患者データを自動的に管理するソフトがついているので、例えば患者さんに前回照射した量から二割増やして当てる、などというややこしい計算もタッチパネルボタン一つでできます。また照射強度をセンサーで自動的に測定して、設定した照射量に合わせた時間だけ当てることができるため、照射量を間違いなくコントロール、やけどなどの副作用を起こすことなく、必要なだけ当てることができます。