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アトピー性皮膚炎院長ブログ
10月29日発売予定!新薬『ブイタマークリーム』のご案内
10月29日から新発売となるブイタマークリームについてご紹介します。
当院では、最新の治療法を積極的に導入しています。
ブイタマークリームとは?
ブイタマークリームは、湿疹やアトピー性皮膚炎、乾癬に対する新しい外用薬です。この薬は、アリール炭化水素受容体(AhR)を調整することで、炎症を抑えながら皮膚のバリア機能を高める効果があります。
作用機序(AhR調整による効果)
ブイタマークリームの有効成分であるタピナロフは、アリール炭化水素受容体(AhR)に作用します。
- AhRとは: 表皮細胞のケラチノサイトに多く存在し、細胞周期や分化、免疫応答を調整する受容体です。
ブイタマークリームは、この受容体を介して皮膚のバリア機能を改善し、炎症を抑制する効果があります。 - TAMA(Therapeutic AhR Modulating Agent): ブイタマークリームはAhRを治療的に調整する新しいタイプの薬(TAMA)です。
TAMAは、有害なダイオキシン類とは異なり、皮膚に有益な反応をもたらします。
フィラグリンの増加
タピナロフは、AhRを介してフィラグリンという皮膚バリアタンパク質の産生を促進します。
これにより、皮膚のバリア機能が向上し、乾燥や外的刺激からの保護が強化されます。
炎症性サイトカインの減少
乾癬においては、IL-17AやIL-17Fといった炎症性サイトカインの産生を減少させることで、症状を和らげることが確認されています。
特徴と効果
- アトピー性皮膚炎への効果: バリア機能の改善と抗酸化作用を持ち、症状の緩和が期待できます。
- 乾癬への効果: 炎症性サイトカインの減少を通じ、病変の改善が期待されます。
- 優しい成分配合: 肌に優しい成分が使用されており、長期使用にも適しています。
適応症状
- アトピー性皮膚炎
- 尋常性乾癬
発売日と提供予定
ブイタマークリームは10月29日(世界乾癬デー)に発売予定であり、藤田皮膚科医院でも提供を開始します。詳しい使用方法や副作用については、診察時にお尋ねください。
用法・薬価など
- アトピー性皮膚炎: 12歳以上の小児および成人に1日1回、適量を患部に塗布します。
- 尋常性乾癬: 15歳以上の成人に1日1回、適量を患部に塗布します。
- 薬価: 1g 300.80円、15gチューブ 1本4,512円(3割負担で1,354円)。
注意点
- 妊娠中や授乳中の方は医師と相談の上、使用を検討してください。
- 12歳未満の小児に対するアトピー性皮膚炎の適応や、15歳未満の乾癬に対する臨床試験は行われていません。
- 成分に過敏症の既往歴がある方は使用を避けてください。
まとめ
ブイタマークリームは、アトピー性皮膚炎や乾癬の新しい治療オプションとして、独自の作用機序により優れた効果が期待できます。
診察時にご相談いただければ、より詳しい情報をご提供いたします。