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アトピー性皮膚炎院長ブログ

ナローバンドでアトピーが悪化?シクロスポリン内服にて改善の症例

アトピー性皮膚炎をはじめ、多くの皮膚科の病気で有効な治療法である「ナローバンドUVB療法」。

手軽に当てられて、効果が高く害の少ない紫外線である「ナローバンドUVB」の開発は、

皮膚科の治療を一変させたと言っても過言ではありません。

ただ、どんな病気も魔法のように治ってしまうかというと、やはり限界があります。

ガイドラインで紫外線療法が推奨されているアトピー性皮膚炎でも例外ではなく、

多くのアトピーの患者さんの症状が改善する一方で、

紫外線を照射することで症状の悪化の経過を示す、まれな例もあります。

ナローバンドUVBを使ったアトピーの治療とは

アトピー性皮膚炎の全身療法 ~1.紫外線療法について~

でもお伝えしている通り、紫外線を当てることで、劇的にアトピーが改善する方もあります。

アトピー皮膚炎の患者さんの皮膚では、Th2リンパ球という、

免疫を担当する白血球が炎症を起こしているのですが、

311nmという、特定の波長の紫外線(=ナローバンドUVB)を当ててやることで、

この細胞の働きを抑え、その結果皮膚の炎症をしずめることが期待できます。

ちなみに、この細胞の数を測っているのがTARCという検査値です。

ナローバンドUVBの副作用

一般的には、ナローバンドUVBを当てることによってアトピー性皮膚炎が改善するのですが、

同時に皮膚の免疫も下げるので、ヘルペスや、毛穴の炎症を起こしやすくなることがあります。

そのほか、「300回の照射を超えると発がんのリスクがある」と言われたりもしますが

今のところ明らかな証拠はありません。

そういった副作用とは別に、光線過敏がある方は赤みが出やすかったり、

やけどのような症状が出たりします。

エキシマライト

同様の効果を期待して、副作用を避けて部分的に当てることで、

さらに効果を高く、副作用を少なくできるのがエキシマライトです。

限られた部分の病変に、308nmの光線を当てることで、

ゴリゴリ盛り上がるような病変に効果が高いです。

悪化してしまったら

そういった副作用を見分けながら、しかしどれにも当てはまらない、

皮膚症状の悪化が見られることがあります。紫外線に対するアレルギー反応

または内服薬を飲んで紫外線に当たることによって悪化する皮膚炎などが

その例です。そういった場合は残念ながら紫外線照射を中止するか、

弱い量で当て直してみることもあります。

あきらめずに別の方法を!

アトピー性皮膚炎の全身療法として、免疫を押さえるお薬(シクロスポリン、ステロイド)の内服、

さらにポイントを絞って強く免疫を抑えるJAK阻害薬(オルミエント、リンヴォック、サイバインコ)の内服、

また注射薬(デュピクセント、アドトラーザ、ミチーガなど)を選択することになります。

中でもシクロスポリンの低用量内服であれば、それほど医療費が高額にもならず、

まずまずの治療効果が期待できます。

残念ながら紫外線照射療法が合わなかった方は、

その方に合った治療をご相談のうえ決めてゆきますので、

まずは一度診察させてください。

>>ナローバンドUVB・シクロスポリン・デュピクセントについてはアトピー性皮膚炎のページをご参照ください

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